わからなかった(過去1)

家のことは

重たすぎるので

あまり考えないようにしてる

 

最近、美容院に行くと

家族の話が聞こえてくる

 

なぜ最近になってそうなのかは

わからないけど

 

お客さんが学校のこととか

話している

 

そうすると家族をちょっと想像して

いいなぁ、と思う。

どんな家庭なんだろう。

お父さんもお母さんもいて兄妹もいて。

 

その人たちにとっては

当たり前なのかもしれない。

 

 

自分のことは

そうだなぁたぶん

ずっと、生きているのが辛い、というのが

デフォルトで。

 

うまく説明できないのだけど

 

子どもの時はあまり考えないようにしていた気がする。

 

中学高校に行っていた頃は、学校に友達がいて

家に帰れば本を読んでいたから

楽しんでいたと思う。

 

でも疑問がたくさんあった。

 

親のことは助けられなかった。

私は、平和な時間は短いと思っていた。

いつも波風が立っていて

平和じゃなかった。

 

実のところよく覚えていなくて

断片的に記憶はあるけど

よくわからない。

 

大人になってから考えたのは

私は自ら選んで、お母さんの元に生まれてきたのだ

と思うストーリー。

 

自分で考えたんじゃないけど

私が存在すること自体が母親にとっては喜びだったのかもしれないと思う。

お母さんは優しかったと思う、根底では。

(どちらかというと他人に優しいお母さん)

 

だから私が生きていること自体が

母親の喜びだったとするならば

私はただ生きているだけで、それだけで充分だったんだろう。

 

私にはわからなかった

どう生きたらいいのか

どうしたら両親を救えるのか

 

お金が無限にあったとしても

お父さんは満足しなかっただろう

とめどなく。

 

お母さんはどうだろう

もっと笑顔にしてあげられたのだろうか。

 

私はひとりになって

とても寂しくはあったけど

ほっとした側面もあった。

 

私は暖かい家庭に憧れた。

だからはやく家庭がほしかった。

 

願いは叶ったけど

思ってたのと違ってた。

 

私は

優しすぎるのがゆえに

自己評価が低すぎるがゆえに

 

どうやっても相容れない人たちに

怒りの表現の仕方を教えてもらうことになる。

 

その家の人はみな

怒りっぽくて

食事中も口喧嘩をしていた。

 

怒りながらなぜ食事ができるのか

理解できない。

 

怒りと悲しみがある時に

平然と食事ができることが理解できなかった。

 

私は怒りの表現ができなかった。

だからなんだろう。

だから周りが怒りを出してくれていた。

 

まるでこうやって出すんだよと言わんばかりに。

 

色々事情があって

その家から抜け出すのに何年もかかった。

それまでのどんな仕事よりも長く勤めた。

 

大人になってからの時間はあっという間だと聞くが

あっという間ではなかった。

 

そこから抜け出して

それからやっと自分の人生が始まったような気がする。

 

私にはわからなかったのだ

どうやったら暖かい家庭が作れるのかも

どうやったら怒りにまみれた人たちが穏やかに会話ができるのかも

どうやったら

 

どうやったら普通の家庭みたいになれるのかも

どうやったら自分のことを好きになれるのかも

 

どうやったらいいのか、

 

わからなかったのだ。